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安楽死はなぜOK?スイスに住む人達はこう考える

スイスの人たちは自殺ほう助にとても寛容だ Keystone / Ennio Leanza

自殺ほう助はなぜ、スイスで広く容認されているのか。現地の人たちに聞いた。

このコンテンツは 2020/09/17

swissinfo.chのジャーナリストと読者をつなぐエンゲージメント担当マネジャーが8月3日、フェイスブックのフォロワーに「なぜ我々は(安楽死に対して)こんなにも寛大なのか?」と聞いた他のサイトへ。以下はユーザーの回答だ。

●ロマーナさん

たぶん、自分が当事者になることがほぼないからじゃない?

だって、どうやって考えたらいいの?昼も夜も痛みにさいなまれたり、たくさんの薬を飲んで頭がおかしくなったりする毎日がそんなに良い?それとも、もう死が近いんだって考えることが…?もしかしたら答えはないのかも。

それに、死にゆく人に何週間も、下手したら何カ月も付き添える人なんている?みじめに、尊厳もまるでなく死んでいくのをただ見ていられる?その無力感に耐えられる人なんているのかな。私には分かるー 本当に大変なことなんだって。

●ニーナさん

自由には、自分の「逝く日」を決めることだって含まれてると思う。頭に浮かぶのは、何回も蘇生させられるお年寄りたちのこと。私の祖母も、薬なしではこんなに長生きしていなかったと思う。

そうなりたくない人には(自殺ほう助団体の)EXITを使える環境がこの国にはある。老人が自分の頭を撃ち抜いて自殺するような国よりはよっぽど良いと思う。

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●ミカドさん

スイスでは(安楽死に)目くじらを立てるような宗教とは深いつながりがない。(もちろん、厳格なカトリック教徒にとってはご法度だろうけど、今でもまだそんな戒律を守って暮らしてる人なんている?)

スイスの人たちは(誰かの)負担になりたくなんかないんだと思う。お金の面でも、労力の面でも。だから、尊厳を持って「逝ける」ことを嬉しく思っている。

みんなが(安楽死を)強く批判しないのは、自分が必要な時にそれを使いたいと考えているからじゃないかな。

●ミヒャエルさん

スイスの人たちは、多くのことを「個人の責任の範囲内」と考えているよね(父親の育休だってそう)。だから、自殺ほう助が個人のお金でカバーされている限り、国民は(一部のモラル主義者を除いては)、おそらく関心がないんじゃないかな。それは一種のサービスに過ぎないんだし。

●アニナさん

それは、必要十分な人々が、「安楽死は『自殺』『殺人』だ」という教会のドクトリン(教え)から抜け出したからじゃないかな?

●ヤナさん

昔は死に対する私たちの倫理観がキリスト教に深く根付いていたけれど、今はもっと世俗的というか、非宗教的、もっと言えば無宗教になったからじゃない?それとも、老人や病人を看病したくないと思っているから、とか?

日本ではまだ、命は神から与えられたもので、人の手で奪ってはいけないものだと考えられている(例えば日本の獣医は動物を安楽死させないし)。日本人はそれほど信心深くないけれど、誕生のお祝いは神社だし、死んで埋葬されるのは仏教のお寺。宗教的な態度は日常生活のいたるところにある(例えば食事の前の「いただきます」がそう)。孔子もこの国に大きな影響を与えていて、お年寄りがとても大切にされている。だからお年寄りのお世話ができることがとても尊ばれる。

だから、日本でこうした議論が波紋を広げているのは、私は理解できるよ。

あなたは安楽死に賛成?反対?ぜひ、意見を聞かせて下さい。

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