ダニ媒介脳炎の症例が増加 予防接種呼びかけ
スイス連邦内務省保健局によると、今年はマダニにかまれてダニ媒介脳炎にかかった人が過去10年で最も多くなった。同局は予防接種を受けるよう強く呼びかけている。
このコンテンツは 2017/10/10 12:08
同局のダニエル・コッホ氏は地域紙ターゲス・アンツァイガーの日曜版の取材に対し、ダニ媒介脳炎の症例増加は「不安な状況だ」と語った。今年、ダニ媒介脳炎の患者2人が死亡し、患者の半数以上が入院した。
ダニ媒介脳炎はウイルス性の病気で抗生物質が効かない。保健局はマダニのリスクの高い地域に住む6歳以上の住民に、予防接種を受けるよう呼びかけている。マダニにかまれた後に発症するケースが多いためだ。
保健局によると、最もリスクが高いのはスイス東部とヌーシャテル湖、ビール湖周辺。この地域でワクチンを済ませたのはこの地域の住民の6割以下だという。春に発症しやすいため、秋のうちに接種するのが望ましい。
チューリヒ応用科学大学(ZHAW)が開発したスマートフォン用アプリ「Zecke他のサイトへ(マダニ)」は、スイス全土で過去2年間にマダニにかまれた場所のデータを見ることができる。
スイスでダニ媒介脳炎の感染が広がっているのとは対照的に、隣国オーストリアでは人口の83%が予防接種を受けたことにより、症例が10年前の700件から80件に減った。

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