1杯110万円のマッカラン、偽物? 専門家が指摘
スイス東部サン・モリッツのホテル「ヴァルトハウス・アム・ゼー」で7月末、中国人観光客の男性が注文した1杯9999フラン(約110万円)のウイスキー、1878年製のザ・マッカランが偽物ではないかとの声が専門家から上がっている。ホテル側は問題のボトルを鑑定に出すとしているが、偽物かどうか判明するまでに数カ月かかるという。
偽物ではないかと指摘したのは、1万本以上のウイスキーを試飲、ウイスキーの情報サイトを運営しているフランス在住のセルジュ・バレンティン氏。同氏は自身のウェブサイトなどで、ボトルのラベルに記載された会社名は過去に存在せず、偽物の疑いがあると指摘。世界中のウイスキーファンが集まるモルトマニアックスのメンバーからも同様の声が上がっている。
これを受けたホテル側は、事態を重く見てボトルを「極めて厳格な」鑑定に出すとの声明を出した。
問題のボトルは7月29日、ホテルのバーを訪れたマッカランファンの中国人男性が注文。注文を受けたホテルのオーナーがボトルのコルクを開けた。1878年に製造された未開封のボトルは、本物であれば世界で最後の1本とされていた。
ホテルによれば、ボトルは前オーナーのクラウディオ・ベルナスコーニさんが25年前に「ゼロが4つ付く金額(約100万円以上)で」購入。現オーナーのサンドロ・ベルナスコーニさんは「ボトルが偽物だとは疑いもしなかった」としている。
ホテル側はボトル内に残っている液体を鑑定してもらうため、英国の専門家に連絡を取ったという。鑑定には数カ月かかる見込み。
偽物と判明した場合、ホテル側は中国人男性に代金を返金し、ボトルの販売先へは法的措置も辞さないという。
このホテルは、世界最大のウイスキーコレクション(2500本)を持つホテルとしてギネスブックに掲載されている。

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