ツェルマットのスキーリゾート、豪雪で孤立
スイス南部、ヴァレー(ヴァリス)州ツェルマットの人気スキーリゾートが大雪の影響で交通網が遮断され、孤立状態に陥っている。一時は最高レベルの雪崩警報が発令されるなど、警戒が続いている。
ツェルマットはマッターホルン観光の拠点としても知られる村。大雪と雪崩警報のため、スキーリゾート地へ続く道路は8日朝から通行止めとなり、ツェルマット行きの列車も8日夕方から運休している。
現地では約1万3千人の観光客が足止めされているとみられる。観光地のツェルマットは1万3400床の宿泊施設(ホテルが7200床、アパートが6200床)がある。
現時点で避難者は出ていないが、地元の関係機関が30分ごとに状況を確認している。停電の恐れもあるという。以下の映像は9日のツェルマットの様子。
9日午後には緊急用のヘリコプターが現地に到着。ツェルマットに続くフィスプ~テーシュ間の道路は同日午後に通行止めが解除されたが、リゾート地域へのアクセスは不通のまま。
連邦森林降雪国土研究所他のサイトへは8日、ツェルマットを含むヴァレー州の一部地域に2009年以来となる最高レベル5の雪崩警報を発令。警報は9日夜にレベル4に引き下げられた。
同研究所は、昨年末のクリスマスシーズンに降った大量の雪の上に新雪が降り積もることで「大規模な雪崩が頻発する恐れがある」と警戒。安全のため9日に人工雪崩を起こす措置が取られ、10日も行う予定。天候は改善に向かうとみられる。
同州では、他のスキーリゾートにも影響が出ている。サース・フェーのリゾートでは、拠点の村からの道路が通行止めになっており、観光客約1800人が足止めされている。道路は10日にも通行止めが解除される見通し。アローラ、フィスペルターミネン、シンプロンなどの一部地域でも大雪の影響でアクセスが不通となっている。シンプロン周辺では24時間の降雪量が2メートルに上った。
スイス公共放送(SRF)は9日、ツェルマットから約30キロメートル離れたフィスプの町で泥と雪の堆積物が流れ込む被害が発生し、住民20人が避難したと報じた。けが人はいなかった。
イタリア国境のゴンド村でも8日に土砂災害が発生、交通網が寸断されている。この村では2000年、土砂崩れで13人が死亡する被害が起きている。
(英語からの翻訳・宇田薫)

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