スイス、難民申請者にベッド供給過剰 昨年の収容施設稼働率わずか5割
昨年、スイス国内にある難民収容施設の稼働率はわずか5割だったことが分かった。それにより、難民申請者一人当たりにかかった費用は当初の予算額を6割上回った。独語圏日刊紙ターゲス・アンツァイガー日曜版他のサイトへが報じた。
このコンテンツは 2018/03/14
同紙は、連邦移民事務局(SEM)から入手したデータを分析。それによると国が昨年、難民申請者のために用意したベッド3700床のほぼ半分が使われていなかった。また、国内の難民収容施設約20カ所のうち、稼働率が75%を超えたのは2カ所だけだった。この空きベッド率の高さが、難民申請者一人にかかる費用の増加につながった。
国の予算では、難民申請者一人当たりに掛かる食費や住居費などの費用を1日83フラン(約9千円)と見込んでいた。ところが昨年、実際に掛かった額は平均132フランだった。ベルナー・オーバーラント地方の村にある難民収容施設では、入所者があまりにも少なかったため、一人当たりの費用が350フランまで膨らんだ。
同紙は、国が適切に予算を編成していれば、3千万フランの支出を防げたと批判している。これに対し移民事務局は、申請者の急増などに伴う収容能力の変動に対処するための措置だと反論。需要の少ない複数の受け入れ施設は昨年、すでに閉鎖し、それによりベッド900床を削減したと述べた。

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