ダボス会議、来年も開催へ コロナ危機で不安も
世界経済フォーラム(WEF)は来年1月の年次総会(ダボス会議)を予定通り行うことを決めた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降、凍結されていた世界のトップリーダーたちのネットワークを再開する。
新型コロナウイルス危機以降、大規模なイベントは世界中で軒並み中止されており、経済界のリーダーたちからは参加に懐疑的な声も漏れる。
ダボス会議に参加した一部の出席者は、今年1月の会議がウイルス拡散のきっかけの一つだったのでは、と推測する。
金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ディモン最高経営責任者(CEO)は2月、投資家の会議で「こんな悪夢を見た。ダボスに行った私たち全員が感染して、その後拡散させたというもの。唯一の救いは、それで死ぬのはおそらくエリートだけ、ということ」と冗談を飛ばした。
WEFの創設者兼会長のクラウス・シュワブ氏は、フィナンシャルタイムズのインタビューで、このような可能性はないと否定した。スイスで新型コロナウイルスの第1号感染者が判明したのはダボス会議終了から1カ月後の2月23日で「この点については後ろめたさはない」と述べた。
シュワブ氏は、WEFが会員らに対し、年次総会を予定通り1月に開く案を尋ねたところ「熱狂的な支持を得たと思う。(コロナ後の)『ニューノーマル(新常態)』に戻らなければならないのは明らかだからだ」と彼は言った。
シュワブ氏は、ダボス会議は参加者の安全を保証できる場合に限り開催すると強調。ただ開催は可能だと自信をのぞかせ、対面協議がサミットを進める唯一の効果的な方法だと主張した。
シュワブ氏は、2021年の年次会議のテーマを「資本主義のグレート・リセット」にすると述べた。パンデミックにより、インフラ、ヘルスケア、社会保障システムをおざなりにしていた「古いシステム」の欠陥が明らかになったためという。
シュワブ氏は「今と同じことを続ければ、反乱が起きるだろう」と述べた。
Copyright The Financial Times Limited 2020

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