スイス第26の州、ジュラ州で独立40周年式典 ベルン州は参加せず
スイスで最も歴史の若いジュラ州で23日、独立40周年の記念式典が行われた。ジュラ州は1979年、第26の州としてベルン州から独立したが、ベルン州との軋轢はいまだに残る。この日はベルン州の代表団が出席する予定だったが、安全上の理由からジュラ州側が直前にキャンセルした。
独立40周年の記念イベントは21~23日他のサイトへに行われ、計1万4千人が参加した。最大の行事が、23日に同州セーニュレジエで開かれた記念式典だった。
式典にはベルン州政府のピエール・アラン・シュネック他のサイトへ副知事ら代表団の出席が予定されていたが、土壇場でキャンセルされた。
シュネック氏は、自治体ムーティエの所属がベルン州からジュラ州に移ったとき、これに強く反対した政治家だ。同氏はスイス通信の取材に「(キャンセルは)式典当日の朝に知らされた。ジュラ州政府と警察から、身の安全を保障できないと言われた」と説明した。
シュネック氏は式典でスピーチをする予定はなかったものの、出席することで一部の活動家を刺激しかねないと懸念されていた。
ジュラ州政府のジャック・ゲーバー知事は、一部の活動家らはまだ過去にとらわれているとして「残念だが、極めてデリケートな状況だと伝えざるを得なかった」と語った。
センシティブな問題
土壇場でのキャンセルは、ジュラ州が所属問題にいかに敏感であるかを示している。フランス語圏のジュラ州は1979年、分離主義者らによる独立運動がきっかけで、ドイツ語圏のベルン州から分かれ、第26の州として誕生した。それ以来、州境に位置する自治体では、ベルン州かジュラ州か、どちらに属すべきかという議論が付きまとっている。
2017年6月18日、当時ベルン州の自治体だったムーティエ他のサイトへは住民投票の結果、ジュラ州に入ることを決めた。だがこの投票をめぐり、本来は居住していない人が有権者登録し、選挙結果を不当に操作したという疑惑が浮上。調査に当たったベルン州当局が7件中6件の申し立てに正当性があり、投票を無効とした。
この決定に移籍賛成派が強く反発し、異議を申し立てた。訴訟は現在も係争中だ。
アラン・ベルセ内務相は23日、式典で「訴訟結果が迅速に出ることが望まれる」と述べた。
式典前、活動家約300人がデモ活動を行い、ムーティエはジュラ州に帰属すると訴えた。それ以外に目立った混乱はなかった。

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