初代ボンドガールはスイス人、「このビキニが私を有名にした」
スイス人映画スターのウルスラ・アンドレスさんは、今日3月19日に80歳を迎える。彼女の人生を変え、キャリアを築くきっかけとなったのは、コットン製の白い小さな布きれだった。
- Deutsch "Dieser Bikini brachte mir den Erfolg"
- Español El bikini que la catapultó al éxito
- Português "Esse biquíni fez de mim um sucesso"
- 中文 比基尼让我声名鹊起
- عربي "هذه القطعة القصيرة هي سبب نجاحي وتفوّقي"
- English ‘This bikini made me into a success’
- Pусский Юбилей первой «девушки Бонда» Урсулы Андресс
- Italiano Tutto iniziò da un bikini
1962年に公開された映画「007 ドクター・ノオ」でアンドレスさんが着たビキニは、2001年にオークションにかけられ、4万1125ポンド(約660万円)で落札された。「『007 ドクター・ノオ』の初代ボンドガール役をいただいたおかげで、えり抜きの役を自由に選べ、金銭面でも自立できるようになりました」とは、オークションが始まる前のアンドレスさんの談だ。
現在はイタリアに住む。生まれはベルン近郊の町オスタームンディゲンで、母はスイス人、父はドイツ人。「007 ドクター・ノオ」でハニー・ライダーを演じる前に、低予算で作られた映画にも何本か出演。その多くはイタリア映画だった。
アンドレスさんの英語はスイスドイツ語訛(なま)りが強く、ハニー・ライダーの声は吹き替えとなったが、それを気にする観客はいなかった。二つの大きな貝殻を手に、腰にはナイフを下げて、濡れた体をボッティチェリのヴィーナスのように輝かせながら海から上がってくる姿は、アンドレアスさんを一夜にしてスターにのし上げた。だが、26歳でピークを迎えることはまだ知る由もない。
アンドレスさんはこの役でゴールデングローブ新人賞を受け、1965年公開の「何かいいことないか子猫チャン」でスターの地位を確立。しかし、それ以後は次第に色あせていく。
70年代に出演した映画はソフトコアや、むやみに暴力的な作品だった。80年代にはテレビでも腕を試し、プライムタイムのソープオペラなどに出演。
1965年には「プレイボーイ」でヌードを公開し、その理由を尋ねられて「私はきれいだから」と答えた。「代表的なボンドガール」として彼女を一押ししてきた007ファン世代は、この答えに思わずうなずいたに違いない。
ハッピーバースデー ウルスラ!
(文:Thomas Stephens、写真編集:Ester Unterfinger)
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