新型コロナ感染症の抗体検査 ローザンヌの病院で実施へ
スイスの複数の病院が近く、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の抗体検査を始める。抗体の有無だけでなく、無症状・軽症の感染者数もわかるため、国内の感染状況をより正確に把握できるようになるという。
このコンテンツは 2020/03/30 15:27フランス語圏のスイス公共放送(RTS)によると、ヴォー州のローザンヌ大学病院では、10日以内に毎日1000~2000件の検査を始める。同地域は、スイス国内で最も感染者数が多い。
まず病院職員と患者、一部住民を対象に検査を行う。
同大微生物学部のギルバート・グリューブ氏はRTSに対し、現在新型コロナウイルスの検査を受けているのは症状が出ている人だけで、抗体検査によって無症状の患者も把握でき、ウイルスの感染範囲をより正確につかむことができるとメリットを語った。
検査では被験者から採取した血液サンプルを分析し、抗体があるかどうかを調べる。地域人口の年齢などに応じて抽出された5000人の血液サンプルを調べ、より地域の実態に近い全体像を把握する。
隔離措置が緩和されたときの二次感染や三次感染を防ぐため、どれだけの人が抗体を持っているのかを調べることは非常に有効という。
グリューブ氏は「一度コロナウイルスに感染した人は、おそらく体内に免疫ができ、(ウイルスから)守られる」と話す。「問題は、この免疫がどのくらい続くかだ。 […] (ウイルスの)突然変異が起これば、免疫を持つ人も再感染する可能性がある」
グリューブ氏は、感染拡大を食い止めるためには、人口の約70〜80%が免疫を持つ必要があると語った。
チューリヒ、ザンクト・ガレン、ジュネーブの病院でも同様の計画が進んでいる。

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