スイスの病院が資金難 新型コロナ
スイス国内で、新型コロナウイルスの影響により複数の病院が財政難に陥っていると独語圏の日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥングが報じた。病院は財政支援のほか、緊急性のない手術を禁止する政府の措置を撤回するよう求めている。
このコンテンツは 2020/04/06
同紙によると、スイス南部にあるヴァレー病院他のサイトへのフーゴ・ブルゲナー院長は「給与を支払うには流動資産が必要だ」とコメント。グラウビュンデン州立病院も数日内でさらに2000万フラン(22億円)が必要だという。
同紙によると、さらに複数の病院が国内220病院で作る団体「H+ Swiss Hospitals」に資金難を訴えている。連邦政府は現在、新型コロナウイルス患者への対応を優先するため緊急性のない医療措置を禁止しており、同団体の広報担当ドリ・ジェリド氏はその措置によって「収入にかなりの損失が生じ、流動資産に影響を及ぼしている」と語った。
同氏は「段階的緩和が検討可能かどうか、連邦保健庁に問い合わせている」という。ただ実際に緩和されるのはパンデミックのピークに達した段階になりそうだという。
地元のスキー場が閉鎖され、スキーの事故が無くなったことも病院の収入減につながっているという。
一方で病院が新型コロナウイルス対策に講じたコストは急激に増加している。患者増に対応するため、集中治療室は人工呼吸器・仕切り壁付きのベッド数を増やした。さらにマスクなどの医療用保護物資のコストもかさんでいる。
同紙によると、州は緊急融資などの支援策を立ち上げた。一方で連邦政府、州、病院は新型コロナ関連のコスト負担について協議している。

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