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スイス・EU、「仲裁裁判所」新設を協議

主席交渉官ロベルト・バルツァレッティ氏(左)とイグナツィオ・カシス外相 Keystone

スイスの連邦内閣は5日、欧州連合(EU)との枠組み条約交渉で、紛争解決手段として新しい仲裁裁判所の設置を協議していると明らかにした。スイス政府は設置に前向きだ。

このコンテンツは 2018/03/07 14:17

カシス外相は5日開いた記者会見で、二国間の枠組み条約の合意に向けた交渉状況について説明した。スイスとEU関係をめぐる紛争の解決には現在、外交・技術的な「合同委員会」が当たっている。同委員会で解決できない問題について最終判断をする司法機関の形態をめぐり、条約交渉は難航している。

新しい仲裁裁判所の設置はEU側が1月に提案した。最終判断の権限をEU司法裁判所(ECJ)に与える案に異を唱えるスイスに対する「抱き込み」策とみられる 。スイスでは、EUによる「よそ者裁判官」に裁かれることは主権の喪失になるとして反対意見が強い。

カシス外相は仲裁裁判所の形態などは未定だとして、詳細に言及しなかった。ドイツ語圏の日刊紙NZZの報道によると、スイス・EU双方が1名ずつ、さらに共同で指名する裁判官1人の計3人から成る審理の案が出ている。


目的ではなく手段

連邦内閣は、EUの求める枠組み条約が、スイス・EU間で結ばれている個別の二国間協定120本のうち①人の移動の自由②標準の共同決定③農産品④空輸⑤陸運に関する5協定にしか適用されないことを確認した。

カシス外相は、枠組み条約が年内に合意されるとの確信を示す。会見で「条約締結は目的ではなく、5つの二国間協定に関する効率的な運用を実現するための手段だ」と話した。

このほか、金融市場への相互参加、共同研究、欧州版GPS「ガリレオ」計画に向けたデータの共有、公衆衛生、電力市場についても同時並行で交渉を続ける。

欧州委員会やスイスの各政党は、カシス外相の会見内容を好意的に受け止めた。ただ保守系右派の国民党はEUにおもねるスイス政府を批判し、枠組み条約の交渉中止を改めて求めた。

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