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2分で分かる「カーボンオフセット」

グラスゴーで開催中の気候変動問題を話し合う国際会議「COP26」では、カーボンオフセットが大きな争点になると予想される。どんな仕組みで、誰が利用しているのか?

このコンテンツは 2021/11/03 08:30

先月31日から今月12日までスコットランドで開催中の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)では、パリ協定の参加国がそれぞれ誓約を更新する。2015年に採択されたパリ協定は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減し、地球の平均気温上昇を産業革命前と比較して2度より充分低く抑えることを目的とする。

カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)は、温室効果ガスの排出量を抑制し、削減できない排出量を別の形で相殺(オフセット)することで達成する。大気中から二酸化炭素(CO₂)を回収したり、CO₂の排出を抑制したりするプロジェクトに投資する国や企業、個人にとって、カーボンオフセット市場はますます魅力的になってきている。

排出量の相殺は、義務または任意

セメント会社や化学会社など温室効果ガスの排出量が多い企業は、欧州連合域内排出量取引制度(ETS)への参加がスイスでは義務付けられている。対象企業が排出する温室効果ガスの量には上限が設定され、上限を超えて排出する企業は、追加の排出権を買い取るか、罰金を支払わなければならない。削減努力により余剰排出権が発生した場合、市場取引で売却もできる。中小企業は任意で参加できる。

カーボンオフセットは個人レベルでも参加できる。国連認証カーボンオフセットの取引プラットフォームやスイスの環境保護団体「マイクライメート(myclimate.ch)」など多くのプラットフォームでは、自分のカーボンフットプリント(CO₂排出量)を計算し、それに応じて森林再生や再生可能エネルギーのプロジェクトなどに寄付できる。

スイスの公約と具体的な対策

スイスは2030年までに総排出量を半減させ、50年までに気候中立(実質排出ゼロ)達成を目指す。それに向け、政府は産業部門や建物のエネルギー効率、大気中に放出されるCO₂を削減するプロジェクトへの投資などを視野に入れる。

スイスは、20年までに1990年比で排出量を2割削減するという中間目標を達成できず、14%の削減にとどまった。パリ協定の義務を果たすべく、政府は一連の対策を打ち出したが、その1つである「改正CO₂法」は、今年6月の国民投票で否決された。

スイスはこれまでにペルー、ガーナ、セネガル、ジョージア、ドミニカ共和国、バヌアツ共和国とCO₂の排出量を相殺する2国間協定を結んでいる。バイオガスプラントや太陽光発電、地熱エネルギーを始め、建物のエネルギー効率向上や公共交通機関の電化を目的としたプログラムにも資金が提供される。

(英語からの翻訳・シュミット一恵)

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