スイスの風刺画家が見た２０１６年
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終わりの見えない内戦から逃れてきた難民に対して扉を閉ざす「ヨーロッパ人」と、「礼儀と人権」と書かれた札の付いた鍵を差し出すスイス社会民主党代表（Max Spring） Max Spring -
「歓迎ムード」のもとで着手された独メルケル首相の難民政策。それに対するドイツ市民の批判は相変わらず続く。数々の批判と地方選挙でのドイツキリスト教民主同盟の敗北の末、ようやく政策の失敗を認めたメルケル首相（Peter Schrank） Peter Schrank -
ソーシャルメディア上でのバッシングの度合い。昔と今（Tom Werner） Tom Werner -
周囲の予想に反して１１月８日、米大統領選でヒラリー・クリントン氏を打ち負かしたトランプ氏。同氏のジェスチャー、風変わりな髪型、オレンジ色がかかった肌の色は、風刺画家にとっては理想の題材だという（Alex Ballaman） Alex Ballaman -
「私には子どもはいません」と言うメイ首相に対して、「今は僕がいるじゃないか」と答える英国の欧州連合（EU）離脱派のジョンソン外相（Felix Schaad） Felix Schad -
核兵器のボタンとツイートボタン、どっちを押す？動きが予測できないトランプ氏（Patrick Chappatte） Chapatte -
「余命３カ月です」。「３カ月！？…長いよ！」。「Mix & Remix」のペンネームで知られる風刺画家べクラン氏（５８）は１２月１９日、長い闘病生活の末にこの世を去った。同氏の風刺画は大きな鼻が特徴だった（Mix & Remix） Mix&Remix -
ズボンを掴んで格闘するスイスの相撲「シュヴィンゲン」。昨年の夏、３年に１回開催される祭り、連邦シュヴィンゲン・アルプス祭が開催されたが、同時期にフランスではイスラム教徒の女性向け水着「ブルキニ」の禁止をめぐって「闘争」が繰り広げられた。２０１６年末に６７歳で死去した人気風刺画家ブルキ氏による風刺画（Raymond Burki） Raymond Burki -
「暗証番号を入力しないと便器の水は流れないですよ」。日常に溢れかえる最新テクノロジーを揶揄（やゆ）（Pfuschi Heinz Pfister） Pfuschi -
６月１日の世界最長の鉄道トンネル「ゴッタルドベーストンネル（ゴッタルド基底トンネル）」開通は世界中の注目を集めた。風刺画ではスイス連邦のシンボルである女神ヘルヴェティアが、ドレスの裾を上げてトンネルを走り抜けてくる列車を待ち受けている（Orlando Eisenmann） Orlando -
「僕たち昨晩、警察所で知り合ったんだ」。ティチーノ州で７月１日、顔全体を覆い隠す衣装を公共の場で着用することを禁止する州法が施行された。同法ではとりわけイスラム教の女性が着用するニカブやブルカが禁止の対象となった（TOMZ alias Tom Künzli） Tom Künzli -
「スリルある旅をお求めですか？」と尋ねる旅行会社のスタッフ。相次いで起こったテロ事件によって、「安全」といえる旅先を見つけるのが難しくなった（GIGAL alias Gabriel Giger） GIGAL -
「追跡妄想に苦しんでるんだ」と精神科医に訴えるポケモン。スマートフォン史上最も成功したといわれたゲーム、ポケモンGOに世界中が夢中になった（Christoph Biedermann） Christof Biedermann - Nebelspalter -
キューバ革命の父、フィデル・カストロ前国家評議会議長が１１月２５日、ハバナで死去。カストロ氏の健康状態は長年良くなかったことから、国民の心の準備はできていたという（Tom Werner） Tom werner -
看板には「大量移民反対イニシアチブの解決案を国民議会（下院）が作成中」と注意書き。１４年２月９日の国民投票で示された「大量移民反対」という国民の意思をどう実現させるかで試行錯誤する議会を風刺（Christine Ruf） Christine Ruf -
泣く子も黙るバッシングのプロ。表向きは「理想の父親」がソーシャルメディア上で見せるもう一つの顔（Schlorian alias Stefan Haller） Schlorian -
離れていく死刑制度支持者。６６年以来はじめて、米国の死刑制度支持率が半数を下回った（BEN alias Ben Marchesini） Ben
英国の欧州連合（EU）離脱、シリア内戦、欧州でのテロ事件、ドナルド・トランプ氏の次期米大統領への当選、キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長の死去…。世界的に大きな事件が多く起こった２０１６年は、風刺画家にとって筆の休まらない１年になったようだ。
- Deutsch 2016 aus Sicht von Schweizer Karikaturisten
- Español El 2016 en el lapiz de los caricaturistas suizos
- Português O que desenharam os cartunistas suíços em 2016
- 中文 瑞士漫画家眼中的2016
- عربي 2016 بريشة رسامي الكاريكاتير السويسريين
- Français 2016 sous le crayon des caricaturistes suisses
- Pусский Карикатуристы Швейцарии подводят итоги 2016 года
- Italiano Il 2016 visto dai vignettisti svizzeri
２００８年から毎年開催されている展覧会「Gezeichnet（イラスト）他のサイトへ」が今年もベルンのコミュニケーション・ミュージアムで開かれている。同展示会はスイスで活躍する風刺画家５０人の作品２００点を展示。その中から鑑賞者の投票によって１６年の最優秀作品が選ばれる。
スイスの風刺画界にとって１６年は悲痛な年となった。スイスで最も有名な風刺画家に数えられるフィリップ・べクラン氏（５８）とレイモン・ブルキ氏（６７）が癌で立て続けにこの世を去った。
「Mix & Remix」のペンネームで知られるべクラン氏は主にスイスのフランス語圏の新聞で活躍した風刺画家だが、大きな鼻が特徴である同氏の作品は、国外の紙面も何度か飾った。そしてべクラン氏の死から１０日後に、日刊紙ヴァントキャトラーで活躍したブルキ氏が死去。同氏は１４年９月に定年を迎えた後も、風刺画を書き続けていたという。
展覧会「Gezeichnet（イラスト）他のサイトへ」では、両氏の他にもスイスの著名な風刺画家、フェリックス・シャート氏（ターゲス・アンツァイガー）、マックス・シュプリング氏（ベルナー・ツァイトゥング）、ペーター・シュランク氏（バーゼラー・ツァイトゥング）、シャパット氏（ル・タン、NZZ・アム・ゾンターク）、オルランド氏（ブント）、ベン・マルケジーニ氏（ル・マタン）、ミヒャエル・ストロイン氏（風刺画誌ネーベルシュパルター）などの作品も展示されている。
（文・Samuel Jaberg、swissinfo.ch 独語からの翻訳・説田英香）
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