ホームレスの視点でベルン市内を社会見学ツアー
貧困者が路上販売するストリート雑誌「スプリーズ(Surprise)」の発行元、スプリーズ協会が設立20周年を記念し、ホームレス経験者がベルン市内を案内する社会見学ツアーを行っている。(SRF/swissinfo.ch)
このコンテンツは 2018/06/06
ロジャー・マイアーさんは長年、ベルンで路上生活をしていたホームレス経験者だ。ガイドするツアー客に自身の半生を語り、路上生活を支えた炊き出し施設や緊急一時宿泊施設、チャリティーショップなどを案内して回る。同様のガイドツアーは既にチューリヒでも行われている。目的は、偏見をなくすことだ。
里親家庭の父親による虐待から逃げるために家を出た時から、マイアーさんは人生の大半をホームレスとして過ごしてきた。今あるガイドの仕事のお陰で現在、初めて屋根のある場所で暮らしている。だがマイアーさんは、路上生活を怖いと思ったことは一度も無いと話す。「路上は何も起こらない唯一の場所。勝手が分かる唯一の場所だ」
スプリーズ協会は先月30日、ベルンの市民団体から社会賞として5万フラン(約550万円)を受賞した。同協会が隔週で発行する雑誌「スプリーズ他のサイトへ」は1冊6フラン。同誌を路上販売する貧困者およびホームレスがその半分を報酬として受け取る。このような雑誌の発行は貧困者の貴重な収入源となるだけでなく、社会問題について世間の意識を高めるきっかけにもなっている。
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