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赤十字国際委員会、総裁交代へ

2012年夏に赤十字国際委員会新総裁に就任するペーター・マウラー氏。長年国連で活躍。外交手腕には定評がある Keystone

赤十字国際委員会(ICRC)次期総裁に、現在外務省(EDA/DFAE)事務次官を務めるペーター・マウラー氏(54)が就任することになった。現総裁のヤコブ・ケレンベルガー氏は2012年7月に12年間の任務を終えて退任する。

このコンテンツは 2011/10/20 15:00
swissinfo.ch、外電

外務省はこの交代によって、国際的に評価されているトップ外交官を失うことになる。

マウラー氏は2004年から2010年までニューヨークに滞在し、国際連合(UN)のスイス大使を務めた。数多くの交渉や代表団を率い、国際舞台でその名が知られることになった。

2010年3月、スイスに帰国。外務省でミシュリン・カルミ・レ外相に続くナンバー2として事務次官に就任した。カルミ・レ外相は10月19日、マウラー氏の新しい任務について次のようにコメントした。「私の省で働く人が重要な任務を任されることになってうれしい」

知己の仲

外務省は、赤十字国際委員会向けエリート養成所のような感すらある。ケレンベルガー氏も、1992年に赤十字国際委員会へ移る前は外務省事務次官を務めていた。そして、当時の彼の秘書がマウラー氏だった。

両者の共通点はほかにもある。「マウラー氏とケレンベルガー氏の性格はよく似ている」と言うのは、国民議会(下院)外務委員会委員長を務めるベルン州急進民主党員(FDP/PLR)のクリスタ・マルクヴァルダー氏だ。「2人とも能弁で、素晴らしい外交官であり、洞察力の鋭い思想家」と評する。

ザンクトガレン州キリスト教民主党員(CVP/PDC)で全州議会(上院)外務委員会委員長のオイゲン・ダーフィト氏も「素晴らしい働きをする人なのに、非常に謙虚でもある」と両者共通の特徴を語る。

増える介入

赤十字国際委員会の仕事は激増した。支出は過去数年間で3割以上増加。2011年の紛争地域などの現場における活動予算は10億フラン(約847億円)を上回る。

予算だけではなく、職員の間にも新たな任務状況に適応した変化が見られる。紛争地域では負傷者の手当てに当たる外科医のほか、水の供給を確保する技術者、物資の調達・管理やコミュニケーションを受け持つ専門家など、マネージャーレベルの人材が求められるようになっている。

現在、赤十字国際委員会で働く専門家は80カ国以上から集まっている。しかし、変わらないことが一つだけある。それは、赤十字国際委員会の規約により、委員会のメンバーと総裁はスイス人でなければならないということだ。

ペーター・マウラー(Peter Maurer)氏略歴

1956年、トゥーン(Thun)生まれ。

ベルンとイタリアのペルージャ(Perugia)で歴史、政治学、国際公法を学ぶ。

1987年外務省(EDA/DFAE)入り。

1996年から2000年まで国連常駐代表団の高官としてニューヨークに滞在。

2004年までベルンで外務省政治部4課を率いる。

2004年9月から2010年初めまで国連大使を務める。

2010年3月から現在に至るまで外務省事務次官。

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