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財閥に支配されるウクライナの表現の自由

欧州第2の領土を持つウクライナは、隣国ロシアとの間に緊張が高まる一方、国内でも報道の自由をめぐる戦いが起こっている。今回の「表現の自由を求める世界の声」シリーズでは、ウクライナの首都キエフの声を紹介する。

このコンテンツは 2021/12/20 08:30

キエフ中心部、ツィランスカ通り。東欧最古にして最も有名な英字新聞の1つ、キエフ・ポスト本社の外で、ディラン・カーター記者(24)に面会した。

「私たちは注意深く見張られている」――イングランド北部シェフィールド出身で、ウクライナで企業ジャーナリストとして数年間働いてきたカーターさんはこう声を潜める。実際、高層オフィスビルの窓の向こうには、数組の目が私たちの会話に目を光らせていた。「数日前、私や他のジャーナリストは解雇された。オデッサ出身の新興財閥(オリガルヒ)で我が社のオーナー、アドナン・キヴァン氏が我々の職業ジャーナリズムに飽きあきしたという理由でだ」

不動産王としても知られるキヴァン氏は、2018年に350万ドル超でキエフ・ポストを買収した。同氏は先月8日、新聞社を直ちに「短期間」閉鎖するが、可能な限り「より大きく、より良く」したうえで再開すると発表。同時にブライアン・ボナー編集長の引退を明らかにした。スタッフ50人は全員解雇された。突然の閉鎖の理由は明らかされず、このニュースはウクライナ内外で強い反響を呼んだ他のサイトへ

それでも、より強い市民社会と参加型民主主義を目指すウクライナは、報道の自由の恩恵を受けている。ウクライナ議会は今年初め、現代型直接民主主義を盛り込んだ新法を可決した。来年スイスのルガーノで開催される国際ウクライナ改革会議他のサイトへのテーマの1つだ。だがウクライナには独立した英語の報道機関はなくなった。「キエフ・ポストは再開したが、オーナーのための広報機関でしかない」(カーター氏)

「表現の自由を求める世界の声」シリーズは2022年も配信予定だ。

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