安価な太陽電池で「ミレニアム技術賞」受賞
連邦工科大学ローザンヌ校 ( ETHL/EPFL ) のミヒャエル・グレッツエル教授が科学技術分野でノーベル賞に匹敵する、フィンランドの「ミレニアム技術賞」を6月9日に受賞した。
受賞理由は色素増感太陽電池の開発。これは一般に普及しているシリコン電池より安価だという。ヘルシンキでの授賞式でグレッツエル氏には80万ユーロ ( 約8750万円 ) が授与された。
街灯などに使用
1944年生まれのグレッツエル氏は、すでに多くの賞を受賞しており、リチウム電池の開発や新しい水素の抽出法などでも知られている。
今回受賞した色素増感太陽電池の開発は、まだ実用には少し時間がかかるが、「この人工的光化学系電池の開発は、一般に普及しているシリコン電池より安価で、多くの利点がある」とフィンランド技術アカデミーは評価している。
例えば、将来街の街灯などに使用されれば、外部から電気を補充せず、さらに安い設置費で実用化できるという。
「従来のソーラー電池は、その高価格がいつも問題となって普及を遅らせてきた。しかしグレッツエル氏が開発した電池は、価格を下げ、人類が太陽電池を普通に使えるようにするという意味で素晴らしい開発になった」
と同アカデミーは続ける。
安価になる理由は材料費が安いからで、また、この電池だと複雑な設備が必要ではないという。
外電、swissinfo.ch
ミレニアム技術賞
フィンランド政府とフィンランド技術アカデミーが資金を投資して2004年に創立した。
日常生活を改善するために開発された発明や創意工夫に対して贈られる賞。隔年に授与される。
科学技術分野のノーベル賞に匹敵するといわれている。
2004年の第1回の受賞者は、ウェブを発明した、イギリスのコンピューター・サイエンティスト、ティム・バーナース・リー氏。

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