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国民投票いよいよ今週末 「スイス国民よ国連加盟を決断せよ」

スイスの悲願、国連加盟なるか Keystone Archive

国連加盟の可否をかけた3月3日の国民投票がいよいよ目前にせまった。ニューヨーク国連本部のイェンス・ステヘリン・スイス代表は、なぜスイスは国連に加盟するべきなのかswissinfoに語った。

このコンテンツは 2002/02/25

スイス人の国連観は、国連安全保障理事会とその動向にのみ限定されがちだ。が、安保理は国連のほんの一部にすぎない。189の加盟国を持つ地球を包含する国連は、平和維持や安全保障から保健・衛生、開発、軍縮、テロなど世界が直面しているあらゆる問題に対処するグローバルな機関で、その活動は全ての国にとって重要だ。スイスも国際社会の一員だ。孤立を保てると思い込んでいるなら、大いなる勘違いにすぎず、自らを欺いているにしぎない。

- スイスは小国なので国連で発言しても影響力を行使できないとの見方があるが..。
スイスは本当に小国だろうか。東京勤務だった時、私はスイスが世界金融の中心で日本への投資額は世界第3位であることを指摘した。この点を考えれば、スイスを「小国」と呼ぶのは間違いだ思う。地理学的にはスイスは小国だ。が、人口は世界平均だ。そして経済力にいたっては、大国の一つに入る。スイスが真剣に考えなければならないのは、スイスの守るべき国益と、世界が直面している諸問題への貢献の仕方だ。ここで問題になるのは国の大きさではない。積極的な役割を果たそうとする国の決意の問題だ。

- スイス国民は過去に2回、国連加盟を国民投票で否決した。反対票を投じた人々に何か言うとすれば?
なぜ国連加盟に反対したのかということをまず聞きたい。86年の国民投票時は、世界情勢は現在と全く違っていた。今、国連は、世界の困難と矛盾を丸抱えにした全世界を代表する機関だ。国連は、世界そのものよりも良いものにはなれない。国連加盟に反対する人々が問題としたのはスイスの永世中立政策だろう。もしそうなら、国連加盟は中立政策を侵害するものではないということを認識する必要がある。もし、スイスの主権が損なわれると考え加盟に反対なのであれば、加盟国の半数は植民支配からの解放を戦って勝ち取った諸国だということを指摘したい。これらの諸国は、独立を達成するまで国連加盟国にはならなかったのだ。また、もし財政上の負担を理由に国連加盟に反対ならば、スイスが正式加盟国となっても拠出金は現状より10%ほど増えるだけで、スイスにとって良い投資だということを認識するべきだ。加盟国になれば、スイスは国連の行政および財政に影響を及ぼす力を得る。スイスが世界で「誠実な仲介者」としての役割を続けていくつもりならば、我々は国連に加盟しなければならない。国連の外に留まっていては、我々のできることは限られたままだ。

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