ラクレットチーズの発祥地 知らなければ非国民
チューリヒでカフェを営むイギリス人男性が、スイス国籍の取得申請を却下された。理由は「ラクレットチーズが生まれた州を知らなかったため」だ。
このコンテンツは 2018/06/05 11:00帰化手続きを却下されたのはフィリプ・スミスさん(仮名、43)。ドイツ語圏の大衆紙ブリックに、スイスの帰化手続きに対する不満を吐露した。スミスさんは母国語の英語のほか、ドイツ語とフランス語を自由に操る。幼い頃からスイスに住み、犯罪記録もなく、スイスの金融機関で数年間働いた経験もある。スイス生まれの6歳の息子を育てながら、最近チューリヒにカフェを開店した。
これだけの経歴があるにもかかわらず、スミスさんの帰化申請は却下された。地元フライエンバッハ(シュヴィーツ州)で受けた面接で、ラクレット他のサイトへがフランス語圏発祥であることは知っていたが、具体的な州の名(ヴァレー州)を答えられなかったためだ。スイス・チャードを使ったロマンシュ語圏の郷土料理、カプンス他のサイトへも知らなかった。
≫国籍取得に必要な「インテグレーション」とは?
スミスさんは、「確かに私は完璧ではない」と話す一方で、スイスに関する厳しい筆記試験には合格したと主張する。スイスで人生の大半を過ごし、外国人としてではなく住民の一人として、スイスにうまく統合しているとも述べた。
自治体との面接は「非公式な会話」にすぎないと言われたが、実際は口答試験に近いものだったという。「同伴が必要だった私の息子も質問された」(スミスさん)
フライエンバッハ役場はスミスさんが「スイスの習慣や伝統に関する知識が不足している」と報告し、詳細なコメントを拒否した。
※本記事は2022年5月17日、本人の希望により匿名化しました。

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