今夏、スイス南部ティチーノ州のヴェルザスカ渓谷にある小さなラヴェルテッツォ村に、大勢のイタリア人観光客が押し寄せている。きっかけは若いイタリア人観光客がインターネット上に投稿した「ミラノのモルディブ」他のサイトへという動画。透き通ったターコイズ色の水や美しい景観など、まさに常夏のモルディブにいるかのような映像はネット上であっという間に広まり、人気が爆発した。 (RTS/swissinfo.ch) 

青い空、太陽、ターコイズ色の水、しかもイタリアのミラノからわずか１時間―。約１分の短い動画では、ヴェルザスカ渓谷はこんな風に紹介されている。水着姿の若い男女が岩場から水面に飛び込んだり、透明な水の中を並んで泳いだりと、とても楽しそうだ。動画を撮影したのはビデオブロガーのマルコ・カペドリさんで、７月中旬に動画投稿サイトYouTubeで公開。瞬く間に話題になり、交流サイトのフェイスブック上ではこれまでに３００万回近く再生された。

一方、人口１３００人のラヴェルテッツォ村は、突然沸き起こった観光ブームに困り顔だ。観光客のマナーが悪いと地元住民から苦情が出ており、村長も観光客が車を決まった場所にきちんと止めてくれない、ごみを持ち帰らない、村のルールに従ってくれないと苦言を呈する始末。

また、この地を良く知る人たちは、ヴェルザスカ渓谷は確かにとても美しい場所だが、動画が伝えていないことがあるとネット上にコメント。このガラスのように澄んだ水は、モルディブと違ってかなり冷たいという。

（独語からの翻訳・宇田薫）