ノバルティス、ブラジル向けコピー薬製造開始
ブラジル政府は1997年、国家非常事態や企業が価格をつり上げた際には特許を侵害してもよいという特許法例外規程を導入、エイズなど高価な特許薬のコピー薬製造・販売を認めている。ノバルティス(本社バーゼル)は、ブラジル市場でのシャアを守るため、自らコピー薬製造に踏み切った。
このコンテンツは 2001/11/22
ブラジルでは、エイズ治療薬など高価な薬に手が届かない感染者らに政府が無料で薬を支給しているが、大手製薬会社との特許薬の値下げ交渉の難航を理由に特許法の例外規程を適用して、コピー薬の製造を認めている。ブラジルでは約400種類のコピー薬が出回っているが、ブランド商品と同じ成分・効能で価格は3割から4割安だ。現在のところ、コピー薬は医薬品売上げ全体の2.5%に過ぎないが、1年以内には10%に達すると予測される。
ノバルティスの製品である消炎薬Voltaren(またはCataflan)などのブラジルでの売上げは、政府がコピー薬製造を認めてから20%落ちた。そこで、ノバルティスは自らコピー薬製造に着手、シェア防衛に乗り出した。取りあえず抗生物質6種類など8つのコピー薬を製造し、年末までには15、来年末までに35、2003年には100のコピー薬を製造・販売する計画だ。ノバルティスは同プロジェクトに2000万ドルを注ぎ込んだが、2004年までには売り上げが10億ドルにのぼる見積もりだ。
ノバルティスはブラジル医薬品市場シェア2位で、昨年の売上げは3億ドル。

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