スイスの経済成長率 1%以下の恐れも
ドリス・ロイタルト経済相は、世界的な金融危機がこのまま続けば、来年のスイスの経済成長率は1%を割り、景気の後退が2四半期続くこともありうると考えている。
一方、連邦経済省経済管轄局 ( seco ) が10月9日に発表した来年の景気予想では、国内総生産 ( GDP ) の伸率の予想値はこれまでと変わらず1.3%のままで、ジャン・ダニエル・ゲルバー局長は緊急対策はまだ必要無いとみている。
ムードは暗いが
国際通貨基金 ( IMF ) と世界銀行の年次総会に出席しているロイタルト経済相はワシントンで
「危機は長引くほど経済成長に強い影響を残す。来年の国内総生産 ( GDP ) の成長率は1%に満たないかもしれない」
と述べた。それと同時に
「深い分析をするにはまだ時期尚早。スイスの経済成長は、最も重要な取引国であるドイツの経済状況に強く左右される。しかし、現在のドイツの国民経済は安定している」
と強調する。
ロイタルト経済相はまた、スイスでも繊維産業など世界的な金融危機の影響を受け始めた産業が現れ、すでに投資資金が不足し出した企業が出ていることを認めた。だが、連邦経済省経済管轄局のゲルバー局長はスイス・フランス語圏の日刊紙「ル・タン ( Le Temps ) 」のインタビューで、政府がスイス経済を支援する予定は今のところ無いと述べている。現在の世論は実際の状況よりもかなり暗いというのがゲルバー局長の見方だ。9月の失業率は2.4%にとどまっており、この先も労働市場の劇的な悪化は予想されていない。現在の消費量もまだかなり高く、輸出の状況は分野によって異なるという。
また、工業関連団体「スイスメム ( Swissmem ) 」のヨハン・シュナイダー・アンマン会長によると、2008年前期の受注は多少減少したが、まだ高いレベルにとどまっている。稼働率は依然として非常に高いということだ。
swissinfo、外電

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