ジュネーブ諸条約締結60周年
「国際人道法はよりしっかりと尊重されるべきだが、これからも発展を続けなければならない」。赤十字国際委員会のヤコブ・ケレンベルガー総裁はジュネーブ諸条約締結60周年に向け、8月11日に開いた記者会見でこのように述べた。
また、「現存の国際人道法は非常に有意義であり、これからもとても役立つはず」と強調した。
ジュネーブ諸条約は尊重されている
しかし一方では、
「特定のルールを強化、あるいはより詳細に規定することも重要だ」
と、内戦における法規をより強化する必要性も説く。ケレンベルガー総裁によると、兵士と市民の区別や国内難民の保護など、まもなく国際人道法の発展に関する調査が終了する。
ジュネーブ諸条約は1949年8月12日に採択された。ケレンベルガー総裁は
「これまでの60年間でジュネーブ諸条約に対する違反は何度も見られたが、根本的には国際人道法を尊重する姿勢は弱まっていない」
と言う。
さらに
「最近の紛争で特に被害を被っているのが一般市民だ。ジュネーブ諸条約では、直接紛争に関与していない限り市民に危害を加えてはならないことになっているが、この直接関与という意味が明白ではないため、より詳細に規定する必要がある」
と説明する。
赤十字国際委員会 ( ICRC ) は現在、ジュネーブ諸条約をどう補充するべきか調査しているところだ。どのような形で改善していくかはまだ不明だが、協定や追加議定書という形を取ることも可能だという。
テロ戦争
ケレンベルガー総裁はまた、アメリカのジョージ・W・ブッシュ元大統領の政策に対して
「根本的に、『テロ戦争』の中ではジュネーブ諸条約の持つ意義が大きくなることはない」
と述べる。
「このような対テロ戦争は、一部でジュネーブ諸条約を守らないための口実に利用されてきた」
キューバのグアンタナモ米軍基地やアフガニスタンのバグラム空軍基地で、テロ活動の容疑者が秘密裏に無期限で拘束されていることに関しては、
「危険人物と見なされて拘束されている人々に対する保証の拡大は有益かもしれない」
と言う。
今日8月12日、赤十字国際委員会はジュネーブにある本部でジュネーブ諸条約締結60周年記念の式典を行う予定だ。
swissinfo.ch、外電

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