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ジュネーブの脳研究者が「中毒遮断機」の手がかりをつかむ

Keystone

ジュネーブ大学とスイス・システムバイオロジー・イニシアチブ「システムズ・エックス・ドット・シーエイチ ( SystemsX.ch ) 」は7月14日、コカイン中毒になる危険性を抑えるメカニズムをマウスの実験で発見したと発表した。

このコンテンツは 2009/07/15 09:02

このメカニズムの経過は、人間がどのようにして麻薬中毒に陥るのかを解明する助けとなるかもしれない。

コカインはほかにも健康を害する数々の問題をもたらすが、時々のコカイン消費から中毒に陥る人は5人に1人にとどまるという。この研究チームを率いているクリスティアン・リュシャー氏は
「この防御メカニズムを解明すれば、なぜ麻薬中毒になる人とそうでない人がいるのかということを理解するのに役立つはずだ」
と期待を寄せる。

リュシャー氏のチームは再発の可能性がある中毒患者と似た行動をするマウスを使い、その行動モデルを脳内のニューロン ( 神経細胞 ) の活動と比較した。そしてその際、マウスが麻薬を「消費した」後に脳を再び正常な常態に戻らせる一種の防御メカニズムを発見した。

専門雑誌「ネイチャー・ニューロサイエンス ( Nature Neuroscience ) 」に発表された論文によると、ここで決定的な役割を果たしているのは「mGluR1」と呼ばれるレセプターだ。このレセプターに操作を加えたところ、禁断後にマウスが再び麻薬を求めるリスクに変化が見られたという。

だが、研究結果を即、人間に応用することはできないとリュシャー氏は警告する。それでも、麻薬におぼれやすい遺伝的基盤を解明することには役立つだろうと期待している。
「もしかしたら、そのような人には防御メカニズムが十分に形成されていないのかもしれない」
と、リュシャー氏は語った。

swissinfo.ch、外電

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